設立の趣旨と背景 Background to and reasons for establishing the Forum
2008年5月IPTVフォーラムを設立
IPTV規格に準拠した再送信やオンデマンドは順調に普及が進みます。一方で、テレビ受信機、PC以外のスマートフォンやタブレットでも、ビデオが簡単に見られるようになりました。
スマートフォンの時代がはじまると、アプリケーションという言葉がもてはやされ、さまざまな生活シーンに、いろいろなサービスが登場することになりました。
ウェブの国際標準化機関であるW3C において、HTML5の規格化がはかられ、テレビやPC、スマートフォンごとにこれまで異なっていたブラウザに同じHTML5が実装されはじめています。HTML5がアプリケーションの共通の基盤になって、これからは、サービスのマルチスクリーン化に拍車がかかります。
ハイブリッドキャスト技術仕様v1.0の誕生
技術の進化がサービスの革新を次々と生んで行く中で、IPTVフォーラムは市場の変化にいち早く注目しました。そして、2011年12月にHTML5の採用を決め、IPTVの規格化の経験と実積を生かして、新しい技術仕様の策定に着手しました。HTML5の作業グループは、2013年3月に、その成果をハイブリッドキャスト技術仕様v1.0として公開しました。それは、テレビにHTML5を本格的に導入した世界で最初の標準規格の誕生でした。テレビにインターネットのサービスを同居させたスマートテレビは、世界中にすでにひろく出回っています。ハイブリッド技術仕様では、従来のスマートテレビでは実現できなかった放送とウェブのアプリケーションが本格的に連携することが最大の特長です。スマートフォンやタブレットを使って、放送番組との連動も可能になります。
安全・安心、そして、オープンな開発環境
私達は、この新しいスマートテレビのことを、あえて「次世代スマートテレビ」と呼ぶことにしました。次世代スマートテレビがつくる新しい世界においては、視聴者には、「安全・安心であること」、アプリケーションの開発者には、「オープンな開発環境であること」を基本理念にしていきたいと考えます。そのために、IPTVフォーラムは、2013年7月に次世代スマートテレビ推進センターを発足させました。プラットフォーム事業者とアプリケーション開発者から届出を受付け、基本理念を共有し、次世代スマートテレビの共同体をつくります。
これから
テレビ、通信、それぞれが発展させて来たテクノロジーとサービスは、IPTVでひとつになりました。そして、IPTVで培った標準化の知恵が、ハイブリッドキャスト技術仕様を産みました。
IPTVとともに育ってきた私達は、これからも、進化とともにあります。
IPTVフォーラムは、ハイブリッドキャスト技術仕様の公開に合わせて、事業者間連携メタデータ運用規定1.0版を公表しました。設立から7年、コンテンツとプラットフォームのそれぞれの経験が織り合って、メタデータのルールをつくり上げました。真に、正のスパイラルです。いま、世界のスピードで、市場は変貌しています。コンテンツ、メタデータ、プラットフォーム、デバイス、そして、それらが一体的に働くエコロジー(生態系)が、やがて重要になるでしょう。私達は、そのために必要になる標準化を引き続き担っていきたいと考えます。利用者にも事業者にも好ましい新しいサービスを実現するために、これまで以上の共同作業が必要になると理解しています。不断の努力が求められています。
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